Yuriko Morota 室内楽シリーズ Vol.1

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室内楽のシリーズをやりたいなと思い始めたのはいつだろう。

学生時代から誰かと合わせるのが好きで弦楽器の友人といつも一緒に弾いていた。

桐朋の室内楽演奏会で初めて弾いた曲はシューベルトのピアノ5重奏曲「鱒」だったし、

自分たちで企画して小さなコンサートをやったりしていた。


考えてみればあの頃と何にも変わってないな。

それが仕事になっただけだ。好きという気持ちやそれにかける情熱はあの頃より増えていると思う。


今回こだわったのは次の5つ。

①大きくないお客様と一つになれる会場。

②弾きたい曲を弾きたい人と。

③会場についてまず楽しめるように素敵なお花を飾る。

④休憩にはワインを。

⑤自分の言葉でプログラムを書く。

とりあえず、この5つはクリア出来たぞ!


モーツァルトとブラームスのピアノ四重奏曲第1番ト短調。

どちらも思い入れのある曲で、ピアノ四重奏だけ2曲弾くのも初めて。

同じ編成で一晩っていうのをやってみたかったんだな~。

そしてヴァイオリンの﨑谷くんとヴィオラのヘルマン・メニングハウス、チェロの裕康さんは

音質や音楽の作り方を考えた時にぴったりだと思ったのだ。


結果的に想像通り、いや想像を上回る相性の良さだったと思う。

ヘルマンが入ると響きの厚みがすごいので、一緒に弾く奏者もどんどん彼の響きに影響されて、

3人なのに厚みのある弦楽器の響きになる。

そしてモーツァルトで皆の弾き方を揃えることでなんと4人が一体感のある音楽になったことか!

みなが同じ方向を向いて弾くとこうなるのだと改めて思った。でも、皆が同じ方向でないとだめなんだ。


モーツァルトに時間をかけてリハーサルした後にブラームスを弾いた時に、なんて自由な音楽なのだろうと思った。

不思議だ。自由の幅が広い。

クラシカルなものの難しさかな。高い集中力も要求されるが、神経質な音楽にはしたくない。

モーツァルトにはそんな難しさがある。


お客様の嬉しそうに帰る笑顔を見て、喜んでくださったのかなとちょっとホッとした。

反省ももっとレヴェルアップしたい気持ちも色々な宿題はあるが、まずは第1回が出来たことを喜びたい。

そして、一緒に音楽を奏でた﨑谷くん、ヘルマン、裕康さんには心から感謝している。

でも、このコンサートは会場と演奏者と聴衆とのトライアングルで作り上げるもの。

集中して聞いて下さり素晴らしい空気感を作り出して下さったお客様の力は大きい。

本当にありがとうございます。


こんなに楽しくて幸せだと毎回室内楽にしたくなってしまうが、

リサイタルは自分の音楽人生の大切な竹の節のようなもの。

辛くて大変だけれど、自分を叱咤激励して鍛えていかなければいけない。

来年はリサイタル。孤独な時間を楽しもう。


CD情報

諸田由里子 ピアノ・リサイタルII
ドビュッシー「版画」

2010年1月25日発売。
諸田由里子 ピアノ・リサイタルII
ドビュッシー「版画」イメージ
ショパン:ノクターン No.1Op.9-1 No.4 Op.15-1 遺作 マズルカ No.32 Op.50-3 モーツァルト:ピアノソナタ第13番 B-dur K.333 ドビュッシー:アラベスク 版画 月の光
WWCC-7633 ¥2,625(税込)


Profile


諸田由里子 Yuriko Morota
ピアニスト Pianist

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