二人の天才

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いい演奏やいい器は人を元気に豊にさせるが、今日はその最高の日。

簡単に言うと、楽吉左衛門を見て、ヨーヨーマを聞きに行ったのだ。


楽吉左衛門とヨーヨーマ。

国も違えばやっている仕事も全く違う二人の天才。

一人は楽家初代長次郎から代々続いた楽家の15代の陶芸家。

楽茶碗の本家本元だ。

ヨーヨーマは言わずと知れた世界的チェリスト。

彼のショスタコービッチの協奏曲をライブで聴きたかったのだ。


楽吉左衛門の茶碗はそれはそれは素晴らしかった。

部屋に入っただけで神々しい空気があった。昔から彼の茶碗が好きで本で見たり何回か本物も見て来たが、

いつもガラス越しだった。いくらガラスに張り付いてみても埋められない距離がある。

今日はガラスもなく上から横から正面から見ていたら「どうぞお手に取ってご覧下さい」との声。

触れるなんて感激!手に取ると、軽さといい感触といい手にしっくりくる。

削りも高台も釉薬もかっこ良く、時間を忘れて眺め触っていた。

4つあった茶碗の中で一番気に入ったものは何と670万円!!

ろっぴょくななじゅうまんえん??

しかし4つとも完売となっていて、なんだ日本は不景気じゃないじゃないかと苦笑してしまった。


京都にある楽美術館に行くと、初代長次郎から15代までの茶碗を見る事が出来るが、

この茶碗もあと100年、200年たったらどんな風になっているのだろう。

今現代の感覚で見る茶碗と100年たって100年前の茶碗として見るのと、どんな感覚の違いがあるのかな。

今感じるかっこよさは普遍のものなのか、それとも現在の感覚にマッチしているだけなのか。

興味はつきないなぁ。


あまりに感激して魂を吸い取られたようになってサントリーホールにヨーヨーマを聞きに行った。

でもこれがまたまた怪演で吸い取られた魂をパワーアップして注入してもらったようだった。

1楽章などワンフレーズで弾ききったようにあっという間に感じたし、

一瞬足りとも隙のない集中力。すごかったなぁ。

同じ人間とは思えない別次元の演奏家のよう。

好みはあるにしても今世紀の生んだ天才に間違いない。


今月は嬉しいことが色々ある。

金曜日にはギエムを観に行くし、来週はベルリンフィルだ。

月末のリサイタルを控えて練習に埋没している毎日だが、いいものは実に沢山の事を教えてくれる。

まさに芸術の秋、真っ最中である。



CD情報

諸田由里子 ピアノ・リサイタルII
ドビュッシー「版画」

2010年1月25日発売。
諸田由里子 ピアノ・リサイタルII
ドビュッシー「版画」イメージ
ショパン:ノクターン No.1Op.9-1 No.4 Op.15-1 遺作 マズルカ No.32 Op.50-3 モーツァルト:ピアノソナタ第13番 B-dur K.333 ドビュッシー:アラベスク 版画 月の光
WWCC-7633 ¥2,625(税込)


Profile


諸田由里子 Yuriko Morota
ピアニスト Pianist

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