パウル・クレーと海老蔵と。

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最近の記憶に残ったものの話を二つ。

パウル・クレーと海老蔵である。


クレーは私の大好きな画家の一人。

フェルメール、セザンヌ、マチス、タピエス、好きな画家をあげるときりがなくなってくるが、

クレーは昔から好きだ。

それは色使いだったりデザインだったり、遊び心だったりする。

心にずしんとくるというよりは、気持ちよく楽しくしてくれる感じ。


今回の展示はクレーの書き方に注目していた。

例えば、一枚の絵を切って、逆に張り合わせたり、一枚の絵のある部分だけを切り取ったり、

全く違う二枚の絵を張り合わせたり、全く知らなかったテクニックが説明と例のように展示してあった。

これは非常にわかりやすく、驚きと同時に単純な発想がこんな作品を作り出すのかと思う。

一枚一枚、これはここで貼ったのか~、とかこれとこれがここで組合わさったのか~とか

探しながら見て行った。

不思議な体験なのだが、見終わった後にいつもクレーを見た後の心の気持ちよさがなかった。

興味深いことと、心に染みることとは違うのか。

純粋に絵を見て感じることを今日は多分怠ってしまった。

テクニックばかりに目を奪われて、理解することばかりに頭がいってしまった。

テクニックを知ることは芸術を深めることにならなければいけない。

そこから生まれでる楽しい世界を見なければいけなかったのに・・う~ん。反省。


悪い男にどうして女は心を奪われるのだろう。

な~んていうと、変な趣味があるみたいだが、私はただただ海老蔵が好きだ。

逆にいうと私生活なんて全然興味ない。

あの事件があった時は「あらあら、きっと人気者で図に乗っちゃったんだろうな~」

なんて思っていたが、これでガツンとたたかれれば、きっと一回り大きな役者になるのだろう。

どうしてどうして、本当にそうだった。

といっても、私は歌舞伎に関しては俄ファンで、何も詳しいことも知らないし、

解釈とか全然わからない。

でも、海老蔵の鏡獅子は本当に迫力があった。

全くセリフがなく、ほとんど踊りだけだが、乙女の恥じらいと乙女の踊り、

そして獅子頭を手にして、獅子に振り回される様子、その結果、霊獣の獅子となった勇壮な獅子の狂った様。

目を奪われて、圧巻の海老蔵に場内興奮状態だった。


人間とは本当に素晴らしい。

画家にしろ、歌舞伎にしろ、全てをさらけだして表現する。

しっかりしたテクニックに支えられたその表現は見るものを違う世界へといざなう。

こんな演奏家にならなければ!と心に誓った。



CD情報

諸田由里子 ピアノ・リサイタルII
ドビュッシー「版画」

2010年1月25日発売。
諸田由里子 ピアノ・リサイタルII
ドビュッシー「版画」イメージ
ショパン:ノクターン No.1Op.9-1 No.4 Op.15-1 遺作 マズルカ No.32 Op.50-3 モーツァルト:ピアノソナタ第13番 B-dur K.333 ドビュッシー:アラベスク 版画 月の光
WWCC-7633 ¥2,625(税込)


Profile


諸田由里子 Yuriko Morota
ピアニスト Pianist

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